【シダ病を防ぐ!】意外と難しい陰性水草ミクロソリウムの種類・育て方・育成のポイントを解説

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初心者向けと言われて買ったのに全滅させてしまった

アヌビアスとともにアクアリウムの入門種と
紹介されるミクロソリウム。

しかし意外と枯らしたことが
ある人も多いと思います。
私も初めての時は全滅させました笑。

ミクロソリウムは少し工夫するだけで
キレイに育てられる初心者向けの水草です。

ふと
ふと

ミクロソリウム育成時のポイントをまとめます

POINT

絶対に淀んだ場所に配置しない
水温は30℃は超えないように対策し、
 貧栄養状態を保つ。

ミクロソリウム基本情報

ミクロソリウムとは?

主に東南アジアなど亜熱帯から熱帯に
自生するシダの仲間です。
川沿いなど基本的に湿潤な環境にいます。

完全水中にも順応するため
アクアリウム水槽に良く用いられています。
「ミクロソリュウム」や「ミクロソリム」、
「ミクロソラム」など名称がさまざまありますが
私は「ミクロソリウム」と呼んでいます。

基本的に成長が遅く、
1ヵ月に1枚葉を展開するくらいです。
流通も多くホームセンターでも手に入るほど
アクアリウムに欠かせない水草です。

さまざまな種類・品種

ミクロソリウムには原産地の環境により
いろいろな種類があります。
アクアリウム用に品種改良された種も多数あります。

プテロプス

最も流通量が多く、
手に入りやすいミクロソリウムです。

ウェンディロブ

突然変異して葉先が細かく分かれた種です。
ミクロソリウムの改良品種として最も有名です。

ソードリーフ

プテロプスよりも葉が細長く、
剣のような形状の品種です。

ナローリーフ

群生させるとかなり見応えがあるので
上級者に人気の品種です。

トライデント

ウェンディロブよりも
大きく枝分かれした葉が特徴な種です。

スモールリーフ

その名の通り小型種です。
レイアウトのワンポイントになります。
まだまだ供給量が少ないので
高値で取引されます。

フォークリーフ

ミクロソリウムの大型種で、
フォークのように葉先が枝分かれします。

水槽内での生育環境

一般的にミクロソリウムが
育てられるには次のような環境が必要だといわれています。

光量:蛍光灯1灯〜

水温:22℃〜28℃

水質:弱アルカリ性(弱酸性が最も良い)

二酸化炭素:なくても可

これだけ見るとミクロソリウムは
初心者向きと言われるように
かなり適応環境が広い種です。

なのに上手く育てられないのは何故でしょうか?
まずは自然界でミクロソリウムがいる環境を知っておきましょう。

自然界での生息環境

どこに自生しているのか

ミクロソリウムは自然界では
東南アジアを中心に自生しています。

日本でも石垣島など
暖かい地域の一部で見られるようです。

どんな環境にいるのか

川沿いの(とくに上流部の)、
水しぶきがかかる岩などに着生しています。

自然界では完全に水中にあるのではなく
半水生で一部が水に浸かっている環境です。

水槽で気をつける点

以上のことからアクアリウム水槽で
気を付けるべきポイントを解説してきます。

貧栄養に保つ

液肥などの肥料は必要ありません。
むしろ貧栄養状態を保つことが秘訣です。

ミクロソリウムが自生する
岩壁や滝付近というのはかなり厳しい環境なので
侵入できる植物は限られます。
そういった場所では基本的に
得られる養分が少なくなります

またミクロソリウムの根の役割は
岩壁などに着生し支えることで、
栄養を吸収する役割はありません。

しかも栄養が多すぎると
すぐ葉っぱがコケだらけになります。
成長が遅いからです。

生体を飼っている場合は
餌を与えすぎないようにする必要があります。

餌の適量が分からないうちは
マツモやアナカリスなど水質浄化作用の強い
水草をともに入れると良いでしょう。

水温は適温内に収める

「東南アジアにあるということは
高温でも大丈夫なのかな?」
と思うかもしれません。

しかし特に上流部に自生していることと、
周りがジャングルで日光が直接当たらないことから
東南アジアといえど、
水温が比較的低い場所に自生しています。
基本的には25度以下の環境にいます。

夏のミクロソリウム

高水温に気をつけましょう。
高水温に長時間晒されると
「シダ病」にかかってしまうことがあります。

シダ病は高水温かつ淀んだ環境下の
ミクロソリウムによく見られる枯れ現象です。
徐々に葉が黒ずんでいき枯れていきます。

厄介なのが黒ずんだ葉に触れると
シダ病が伝染していく点です。
一気に全滅という危険があるのです。
筆者が全滅させたのはこれです。

特に水温が30℃を超えるようなら対策が必須です。
冷却ファンや水槽用クーラーを設置するなどしましょう。
リビングに水槽がある場合は
エアコンをつけることが高温対策になります。
合わせてエアーションで空気を送るのも手です。

冷却ファンを設置する際には
外気の空気循環とともに
効率良く水温上昇を抑えましょう。

冬のミクロソリウム

ヒーターを入れ水温を最低15℃以上に保ちましょう。

やはり東南アジア原産の植物なので
日本の冬の水温には耐えられません。
また、水槽内は水量が限られているため、
自然界と比べて水温変化が激しくなります。

水草の調子を崩させないためにも
冬は必ずヒーターを入れましょう。

ゆるい水流を当てる

この要素が最も重要です。
葉がゆらゆらする程度の
水流がある場所に配置しましょう。

ミクロソリウムが自生しているのは
上流部の流れが速い環境です。
下流のような淀んだ部分は少ないです。
常に新しい水が行き渡るような
ある程度水流がある環境を好みます。

たとえ貧栄養状態を保ち、
水温を適切に管理しても
淀んだ場所にあれば全滅します。

「淀んだ場所=シダ病」と言っても
過言ではありません。

そのためフィルターの排水口の向きを変え
適度な水流を生み出しましょう。

まとめ

POINT

絶対に淀んだ場所に配置しない
水温は30℃は超えないように対策し、
 貧栄養状態を保つ。